Vol.103<共同出願は慎重に>|静岡浜松 居藤特許事務所 新着情報
2013/11/12
Vol.103<共同出願は慎重に>
出願人が複数いる場合の出願を『共同出願』、略して『共願』といいます。
共願は、出願人同士で方針が一致している場合は良いのですが、一致しなくなるとしばしばもめ事の種になります。
最初のもめ事は、意外と早く、審査請求時にやって来ます。
一方の出願人が審査請求を望んで他方の出願人が審査請求を望まない場合であっても、一方の出願人が審査請求費用を負担すれば審査請求自体は行えるのですが、
他方の出願人はタダで権利化できることになりますので、一方の出願人としては費用と労力を掛けて権利化するため面白くないのです。
そうすると、一方の出願人は、他方の出願人に対して権利の持分の譲渡を要求するようになりますが、
他方の権利者としては、審査請求しなければみんなが使える自由技術になるところを権利譲渡することによって一方の出願人のみが権利者となって自分がその権利の制限を受けることになってしまうので、権利譲渡をしたくありません。
この問題は、特許権等の権利者が複数いる場合における権利の更新時にも同じ問題が生じます。
このような問題の仲介はとても疲れます。
ですから皆さん、共同出願や共同権利は、くれぐれも慎重に判断しましょうね。
弁理士・居藤からのお願いでした。