Vol.7<モナ・リザと特許明細書>|静岡浜松 居藤特許事務所 新着情報
2011/11/18
Vol.7<モナ・リザと特許明細書>
先日の日曜日、弁理士会の公務で静岡市に行く用事があったので、静岡市美術館で只今開催中の「レオナルド・ダ・ヴィンチの美の理想」展に寄ってきました。実は、私はこう見えても美術館好きです。
たくさんの絵があって1枚1枚の絵に感心しきりなのですが、中でも「アイルワースのモナ・リザ」は暫し見入ってしまいました。
あの有名な僅かな微笑みは、こちらに何かを優しく語り掛けているようであって、また、こちらの心の中を見透かしているようでもあり、観ているこちらが目を背けたくなる瞬間もある魅惑の絵(彼女?)です。
芸術は、作者の想いとそれに接した人々の解釈とは必ずしも一致しないもので、それぞれ自由な印象や解釈を持てばよいものだと思います。
しかし、我々弁理士の書く特許明細書は、人によって解釈が異なるものであってはいけません。可能な限り意味が一義的に定まる文章や図面を心掛けなければ、後々無用の紛争の種になってしまいます。
一見、自由に書いているように見える特許明細書ですが、これはこれで中々奥深く難しいものなのです。
美術館からの帰り道、弁理士と芸術家は両立しそうにないな、と自分の美的センスのなさを弁理士のせいにする私でした。